2017/12/29

絵は何のために描くのかーニコラス・ウィルトンの答え

ニコラス・ウィルトン(Nicholas Wilton)は、米国の人気抽象画家です。素敵な絵を描くこの画家は教育にも熱心で、彼のブログには実践的な技法と示唆に富んだアドバイスが数多く載っています。私はそこから多くを学ばせてもらいました。

「絵は何のために描くのか」について明快で的確な答えがインスタグラムに投稿されていましたので、訳してみました。
あなたの絵は、自分らしさ(authenticity)を目に見える形で表現したものです。自分の中にあるものに耳を傾けてそれを外の世界に示すというのは、だれにでもできることではなくて、ものすごく勇気がいりますが、あなたにはその勇気があるのです。絵を描く事はあなた自身を生き生きとさせるだけでなく、他の人にも同じ効果をもたらします。これこそが、あなたの絵をみんなが欲しがる理由だし、時にはお金を出して買ってもくれるということです。自分らしさを表現した(authentic)作品であば、自分が生きているんだということをみんなに思い出させてもくれます。つまり、あなたの作品は世界に向けた贈り物であって、あなたはその作品を作り出すことができるただ一人の人間なのです。それは、人生においてただただ神から与えられたひとつのチャンスにすぎないのですが。

2017/12/18

ミクストメディアの技法:バーニッシュをどうする

アクリル絵具で描き始め、オイルパステルで描き加えたミクストメディア作品に、艶を出す/艶を消す、表面を保護するなどの目的でバーニッシュを塗りたい場合はどうするればいいか。

ネットで調べたところ次のようにすれば良いとわかりました。

2017/12/09

使用感想:ぺんてる(学童用)画筆

スーパーの学用品売場で買ってきました。「ぺんてる えふで ネオセーブル」14号 幅13mmの平筆。302円。


早速アクリル絵具をつけて試用。適度なコシが綺麗に揃った毛と相まって手ごたえがすこぶる快適。バサバサの毛でワイルドに描きたいと思って購入したのに、当て外れ。すんなり上品に描けてしまいます。その日から主力戦力の座に収まってしまいました。

道具は画材店だけにあるとは限らないということ。それにしても最近のガキはこんな良い筆でお絵描きしているのか。

製品レパートリー

丸筆

  • 0号 幅3mm
  • 6号 幅4mm
  • 14号 幅8mm
  • 16号 幅10mm

平筆

  • 6号 幅7mm
  • 14号 幅13mm
  • 18号 幅16mm

2017/11/02

お気に入り画家:マーク・ロスコ


マーク・ロスコー
マーク・ロスコ (Mark Rothko, 1903年 - 1970年) はアメリカの現代美術を代表する大御所。画面を2つまたは3つに分割してそれぞれに色を塗った(だけの)絵、写真などで見ますよね。街の画廊には亜流と思しき同じスタイルの絵が掛かっていたりします。部屋に飾ればそこそこ様になる絵、ぐらいに思っていましたが⋯

今秋、アメリカに行ったとき、本物を見ました。「本場」ですからあちこちの美術館に何枚もあるのですが、予想を違えてどれも巨大です。その巨大な画面の前に立つと、色の光に包み込まれるような厳かな感じ。「画家がやりたかったのはこれだったんだ」と気が付きました。よく見ると絵肌は単純に色を塗ったようなものではなく、何やら不思議な処理が丹念に施してあります。表面から淡い光が差してくるような、あるいは、光が吸い込まれていくような。

言葉では表現できないのですが、心安らぐ幸せな体験でした。アメリカ製の「禅画」かも。

あの大きさとあの独特な絵肌が目の前にあって初めて成立する絵のようです。だから、写真で代用するのは無理。それが何よりも残念なことです。

2017/10/21

使用感想:リキテックス ペインティング メディウム

アクリル絵具でたとえば細い線を描く場合、筆の走りをよくしようと絵具を水で溶くと、なんとも切なく薄い色になってしまいます。濃くて柔らかいフルイド・タイプの絵具であればうまく行くのでしょうが、あれもこれもと絵具を揃えることはできません。

こういうとき、リキテックス社のペインティング・メディウムをハードボディータイプの普通の絵具に数滴垂らすと、あ~ら不思議。色の濃い線がすいすい引けるではないですか。
リキテックス社の商品案内

2017/08/28

楽しいオイルパステル抽象画 P324

P324 by Ai Yusuke
オイルパステルは気軽な気分を楽しめる画材ですが、消したり完全に先の色を覆いつくしたりできないから、どうしても色を濁らせる方向にしか描き進められないという宿命があります。探るようにイメージを追い求める抽象画では厳しいかも。

2017/08/10

マンション・リフォーム、間仕切り撤去の勧め

我が家の名ばかり3LDKの狭小マンションをリフォーム。リビング・ルームと隣の和室との間仕切りを撤去し、ひとつの部屋にしました。つまり、3LDKを2LDK化。結果は⋯

広々感に大満足。面積はどうあがいても増やしようがないのですが、勘違いにしても広さが増えた気がして得した気分になるのが不思議です。

2017/07/21

iPad Proで抽象画

P309 by Ai Yusuke
我が家のリフォーム工事をしたこの1か月、画材を広げるどころか身を置く場もなかったので、購入したばかりのiPad Proを抱えて近所のショッピングモールに毎日通い、スタバやドトールでお絵描きしていました。結構集中できるもので、8枚も描けました。

絵具コンピュータ、それぞれに得手不得手はありますが、詰まるところ絵の難しさは同じ、描く本人次第。弘法筆を選ばず、ですね。


2017/07/03

iPad Pro (10.5インチ)購入しました

P301 by Ai Yusuke | Digital
5年前に買ったiPad 2を使ってきたのですが、OSのバージョンアップごとにスピードが低下し、ついに使い物にならない状態になったので、先日発売になったiPad Pro (10.5インチ)を購入しました。

店先のデモ機にもインストールされているお絵かきソフトprocreateApple Pencilの組み合わせは抜群。

何よりカラーマネージメントがまじめに搭載されたので、印刷したり他のモニターで表示しても色が同じになるのが嬉しいです。以前のiPadは酷かったですから。

お絵描きツールとしては高価に過ぎますが、ニュースを読んだり、音楽を聴いたり、果ては風呂の湯張りタイマーとして使ったり、一日中使いまわしているから元がとれると言えるのかどうか。しかし、5年償却として月額1200円。やっぱ、高い玩具です。

2017/06/26

お絵描き 休業

1か月の予定で、我が家のリフォーム工事が始まりました。毎日のようにやっていたお絵描きができません。しばし休業。寂しいです。

しかし、工事が終わると、北向きの天窓がある20畳もの真新しいアトリエで思う存分に、とは妄想極まれり。実のところは、先日購入したIKEAのワークテーブルをば組み立てて、お絵描き専用にするという慎ましくも嬉しい計画。

これまでは、ダイニングテーブルでしたから、食事の度に片づけなくてはなりませんでした。これからは、置きっぱなしのやり放題。朝飯前とか、寝る前とか、わずかな時間の隙間にもお絵描き可能。やったね。

2017/06/04

アドルフ・ヴェルフリ展

東京ステーションギャラリーで開催のアドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国展に行ってきました。20世紀初頭、アウトサイダー・アートが注目を集めるきっかけとなった画家です。

凄いです。鉛筆で稠密に描かれた絵は、画集で眺めたのとまるで違う迫力。見ていて飽きないです。じっと見ていると、絵の中に引きこまれるよう。

2017/04/30

子供のときの絵から学べることは

小4 工事現場
小学生時代の絵が束になって出てきました。残念ながら「天才少年」ではなかったようで、どれも凡庸な絵。しかし、のびのびと描いていることに感服。苦労している今から見れば、実に羨ましい境地にあったと見えます。

どうして自由奔放に描けたのだろうと思うのです。子供だからといって「心が自由」ということはありません。迷いも囚われもあるし、ましてや、心が純真無垢ということもありません。

2017/04/01

バリューでならできるイメージ・シミュレーション

囲碁や将棋では、頭の中に描いた盤の上でコマを動かして筋をシミュレーションするそうですね。絵を描くときも同じようにできたら、何度も塗り直ししなくて済むのにと思いはするのですが、そんなこと無理と思っていました。

2017/03/04

抽象画の良し悪しを見極める方法

買う作品を探している人に向けたアドバイスとして「抽象画の良し悪しを見極める方法」という記事(英文)を見つけました。うまくまとまっていると思ったので紹介します。次の6つのポイントをチェックすればよいそうです。
  • 一貫性
  • 色彩
  • テクスチャー
  • 意味
  • 複雑さ
  • 心地よさ

2017/03/01

使用感想:ミューズ社のアクリル画用イラストボード

A349 by Ai Yusuke
ミューズ社(muse)のイラストボード「アクリボードAC」を始めて使用しました。アクリル絵具にぴったりだと思いました。綺麗です。

広告には「発色が良い」とありますが、もちろんそれはボード表面の色とは関係なくて、ボード表面に施してある凸凹の効果。

2017/01/10

使用感想:アクリル絵具のフルイド・タイプ

ゴールデン:フルイド
フルイドとはボトルに入った液体状のアクリル絵具。数年前から内外のメーカーから出ていましたが、最近ホルベインからも発売されました。メーカーの広告によると
  • 低粘度 → 水を加えなくてもよく伸びる
  • 高濃度 → 重ね塗りしなくても美しい色
とこれまでの絵具にない特長を備えています。

2017/01/04

イーゼルの効用

何年も使っていなかったイーゼルを出してきました。

使っていないかったのは、小さい絵ばかり描いていたから。机上に水平に置いて描けるなら、その方が楽。

久しぶりにイーゼルを使ってみて分かったのは、常に画面全体を見渡しながら描ける事。これは良い絵を描くには大切な事かも。机上に置くと、下端から見る形になるので上下が圧縮されて歪んで見えます。机上で描くということは、見ているようで見ていないようなもの。

しかし、筆使いの勝手が違います。慣れなんでしょうけど。結局、イーゼルを仕舞い込んでからいつものように机上で描き始めました。

多分、大きいボードに描くようになったら、(仕方なく)イーゼルで描くようになるでしょう。