2019/03/23

抽象画の技法―テクスチャ

昔はテクスチャといえば、キャンバスの目が大きいとか小さいとか、絵具に光沢があるとかないとか、表層的なもの。今は百花繚乱、様々な技で絵の魅力を盛り立てています。私が目撃したものだけでも⋯

取り去る系
  • 刃物やサンドペーパーで絵具層を削る
  • サンダーで支持体もろとも削る
  • バーナーで炙る
  • 表面をタワシで洗い落とす
加える系
  • モデリング・ペーストで盛り上げる
  • 砂やガラスを練り込む
  • 異物を貼り付ける
  • 蝋をたらす
絵は必ずしも絵具と筆で描くものではないということですね。過激な技にキャンバスはもたないからウッド・パネルが使われるのにも納得。

下の動画をご覧ください。電動サンダーを使っていますよ。

2019/03/17

抽象画の技法―マーキング

先日、抽象画を描くのに重要な技法としてレイヤリング技法を紹介しました。その続きとして、マーキング (Marking)を取り上げます。これも海外のお絵描き指南サイトで知った用語です。

犬などが縄張りを主張するためにオシッコをかけて回るのを「マーキング」と言いますが、アートの「マーキング」も同様「自分らしさが見て取れるマーク(印)を付けること」です。ここでマークとは、絵具の筆跡やパステルの線の揺れ具合などを指します。たとえば、ゴッホの筆跡は、彼であることが直ちに分かる超有名なマークというわけです。

さらには、丸や線など「わざと」描き加えたものもマークと言います。下の例をご覧ください。

2019/03/15

お気に入り画家:長谷川潔

長谷川潔「アカリョムの前の草花」
バリに生きた銅版画家 長谷川潔展」(東京都・町田市立国際版画美術館)を観てきました。

版画の美術展といえばたいてい途中で飽きてしまうのですが、本展は最後まで気が緩むこともなく熱心に観ました。副題が「はるかなる精神の高みへ」の通り、絵のサイズとは真逆の物凄くドデカイ禅的ともいえる世界を内包している絵ばかりでした。

たいへん美しい絵なのですが、気が付くと「美しい」という感情すら忘れて絵に対面していました。絵の向こうにある瞑想世界に引き込まれていきます。

画家は完璧な美を創り出す卓越した力を持っているのですが、それでも、画家の「精進」こそが私たちを動かす源になっていると思いました。つまり、私たちも「全霊を打ち込んで描いたなら、それだけで観る人に感銘を与え得る」と教えられたよう。バランスやら配色やら何やらに現を抜かしているのではなく、描く行為に注力せなあかんのやなと自らを振り返りながら思ったのでした。

上の写真:作品の一部が「写真撮影可」となっていたので悦んで撮影したのはいいのですが、額装のガラスに自分の姿が写り込んでどれもセルフィーに。なお、会期は04/07まで。

2019/03/13

抽象画の技法ーレイヤリング

海外のお絵描き指南サイトではよく「レイヤリング技法」が、抽象画を描く重要な技法のひとつとして紹介されています。私が知らないだけかもしれませんが、日本ではあまり聞きません。

レイヤリング技法とは、「レイヤーを積み重ねるように描く」ということ。たとえば、空を背景にした樹木を描くとき、まず「空」のレイヤーを描いて、それから、その上に被さるように「樹木」のレイヤーを描きましょうということです。しかし、そんなの当たり前の描き方で、先に樹木を描いてしまったら空を塗る時大変な目にあいます。ということでは、誰でも無意識にレイヤリング技法を使っているといえるかもしれません。

抽象画では「意識してレイヤリング技法を使うと良いことがあるよ」というのがこの技法のココロになります。たとえば、ある程度描き進んだところで、「このレイヤーは完了。次のレイヤーに移ります」と自らに宣言。そして、それまでとは別のモノを上から描いちゃうのです。せっかく描いた前のレイヤーのが消えるのも厭わずにです。これで絵に奥行と複雑さが加わることになります。

インスタグラムで見つけた下の作品をご覧ください。ホワイトのPoscaで描かれた無数の丸や線が、最後のつまり最上位のレイヤーです。

2019/03/11

なんでまた「ハード・エッジ・ペインティング」

Ai Yusuke
この2か月「ハード・エッジ・ペインティング」ばっか。ほんまに好きやねぇ。

ベターと均一に塗られた色面が得も言われぬ快感をもたらすのです。擦れたり滲んだりして複雑に絡み合う色の様も良いけど、「ベタ塗り」には、剥き出しの生の色のパワーがあります。

べた塗りの美を追求すると、色面はシンプルな形になります。さらに、オブジェクトの数は最少に。

かくして、ミニマルな絵ができるのですが、どれもこれも色に導かれての結果です。

2019/03/08

インスタグラム こんな感じでやっています (2か月経過)

@aiyusukeart
フォロワー数、200になったところで伸び悩み。毎日「4人入って、3人脱落」という感じ。

「フォローしたけど、つまらないからやっぱ止めるわ」となるのは仕方ありません。どんどん去っていただいて結構。でもね、「なんとか繋ぎ止めたい」との一心で、「フォロー返ししては即ミュート」という(バカバカしい)操作を毎朝繰り返しているのも事実。「ビッグ」になるまでの辛抱。

伸び悩みは、マメな「交際」をサボっているからかも。コメントを付けて回ったり、政略的フォローをかけたりとか、してないもん私は。

フォロワー数が、「幾万」の方はすでに世間で名が通っている画家。雲の上の方達です。一方「幾千」の方はゴロゴロいらっしゃるのですが、そこまで登れたのはやはりコンテンツに力があるからなんでしょうねぇ⋯。

という状況です。ただ、私はインスタグラムにはあまり深入りしないで、やはりお絵描きにエフォートを注ぎたいと思います(きっぱり)。