2018/09/25

思考は無力? お絵描きの境地

Ai Yusuke A429
描き進むうちにどうにも行かなくなって、あーでもない、こーでもないと、あくせくしているうちに、手が滑ってとんでもない色をとんでもない場所に塗ってしまうことがある。「やっちまったぜ」と舌打ちしながら見直すと、「お、良い感じ」。

考えに考え抜いても得られない果実が、「失敗」による「偶然」からはふっともたらされることに愕然とする。

考えれば考えるほど良い答えが得られる」との信念は、ことお絵描きにおいては見当はずれのようだ。

このあたりがお絵描きの極意に通ずる、ような気がする。



2018/08/06

額装をシミュレーションした写真を作ってくれるアプリ「VOUN」

手元にある絵や写真を額装して壁にかけたらどうなるかを簡単にシミュレーションしてくれるスマホ・アプリ「VOUN」を見つけました。

早速試してみたのが右の写真です。絵は拙作(30cmX30cm)。

絵の写真をアプリに与えてから、

  • 額の形と色
  • 壁面の材質と色

を選択します。写真の色調などを調整したり、サインを加えたりもアプリ上でできます。無料の段階では選択できる額や壁面の種類が限られていますが、課金すれば種類が増えるという仕組みです。

額装の効果が簡単に確認できるので ★5個。

iOSアプリ「VOUN」(Apple AppStore)

Androidについては無知なので⋯。

2018/07/15

お気に入り画家:イワン・ラブジン

イワン・ラブジン
先月のこと、クロアチアの首都ザグレブでクロアチア国立ナイーブアート美術館を訪れました。ここでは、同国出身画家を中心にナイーブアートが所蔵・展示されています。建物は小さくて展示数が少ないので、ちょっと物足りない感もありましたが。

日本人観光客の訪問が多いのか、昨今には珍しく日本語パンフレットがありました。原田泰司の作品展示も。

目玉はなんといっても、イワン・ラブジンでしょう。一時は多数の版画や複製画が売られていたものでした。私も絵ハガキをトイレに飾っていましたっけ。

本物を見るのは初めて。サイズはどれもおおよそ1mぐらい。意外と大きいです。油彩またはアクリルで平板に塗られています。まるでトール・ペインティングみたい。それもそのはず、画家になる前は家具職人だったのですから。

イワン・ラブジン(部分)
どの絵も、ご存知、空と平原と山と花の単純な構成。しかし、近寄って見ると、木の一本一本、葉の一枚一枚が丁寧に淡々と描いてあります。空のグラデーションと見えるのは、細かい点描の効果であると分かりました。全体的には単純な構成と、反復される細密なオブジェクトが共存することで独特な世界観を作っているようです。これは、画集の小さい写真からは分からないことでした。

じっと見ていると静かな世界の中に引きこまれるようです。絵の前は居心地が良いです。

特記したいのは色。画面全体からふわーとした柔らかい光が出てくるよう。同館で販売しているポスターや絵ハガキでさえこの色を再現していません。忠実に再現していたらうすらボケた感じになるからコントラストを強めてあるのでしょう。印刷物としては仕方ありません。本物を拝めたというのは実に幸せなことでした。

追記 クロアチアの街、ワールド・カップで盛り上がっていました。対フランス 決勝戦、もうすぐ始まりますね。

2018/04/02

ポスカを溶かしてしまうアクリル絵具が存在するぞ

ポスカ(不透明+水性+顔料インクのマーカー)は、お絵描きに欠かせない画材。乾くと耐水になるので、アクリル絵具と組み合わせてガンガン使えます。しかし、すっかり乾いたポスカのインクを溶かしてしまう絵具が存在することを発見。

それは、ゴールデン・アクリリックス(右写真)。ハードボディー・タイプの普通のも、乾燥を遅らせた「オープン・アクリリックス」も溶かします。

時々ポスカが泣くことがあったのですが、ポスカが乾く前に上から絵具を塗った自分がせっかちだと思っていました。しかし、調べていくとこういう結果に。なお、ホルベインリキテックスアムステルダムは大丈夫でした。ゴールデンには、他とは異なる薬剤が含まれいるのでしょう。

関連記事
ポスカはアクリル画と相性バッチリ

2018/03/20

30年前のアクリル絵具が出て来ました

30年前に買った「ホルベイン・アクリラ」のチューブが出て来ました。当時のアクリル絵具は臭かったです。蓋を開けると、懐かしい匂いが。最近はどのメーカーでも無臭ですから。ただ、先日買った安価な中国製絵具は、アンモニア臭が強くて往生しました。

写真:30年前に買ったホルベイン・アクリラ(左) と 現在のホルベイン・アクリリック・カラー(右)

2018/01/13

「つけペン」の使い方(アクリル画で)

前回「つけペン」をアクリル画で使うことを紹介しました。

「つけペン」はアクリル画と相性バッチリ

今回は実際の使い方。と言っても、筆の代わりにペンを持つだけのことです。

2018/01/12

「つけペン」はアクリル画と相性バッチリ

つけペンとは、金属製のペン先にインクをつけながら書く(描く)ペンのこと。昔は日常的に文字を書くのに使われていましたが、現代ではコミックを描く道具となったようです。カリグラフ(レタリング)の道具でもあるのですが。

アクリル画で細い線を描くのに水性顔料マーカー(たとえばポスカ)は具合がいいのですが、つけペンなら好きなように混色した色を使えると思い試し始めました。ノウハウを紹介してみます。

2018/01/07

ポスカはアクリル画と相性バッチリ

三菱鉛筆から出ているポスカ(Posca)は、
  • 乾くと耐水性になる
  • 耐光性がある
  • 隠蔽性(下の色を隠す力)が高い
といった特長がある水性マーカーです。アクリル画において均一な線を描くのにぴったり。これは文房具屋で手に入る立派な画材です。

メーカー商品情報

海外の画家にも人気で、インスタグラムに「I love Posca!」などと投稿されていたりします。日本語で「しろ」とか「くろ」とか記されているポスカが写っている写真を見ると、なぜか嬉しくなります。

成分はアクリル絵具と同じと勝手に思っているので、ポスカを使っても私は「ミクスト・メディア」とは称さないことにしています。マーカーでも油性だったらミクスト・メディアと称するのが世間の相場のようですが、違いますかね。

線幅が「極細」から「極太角芯」まで5種類ありますが、色数が15色と限られているのが残念なところ。しかし、15色もあれば十分かも。

多色が必要なら、「リキテックス・マーカー」やホルベインの同様の商品を使うという手もあるのでしょうが、細い線を望む場合は無理。大作に挑むときに使わせてもらいましょうか。

製図用具コーナーに置いてあるサクラの「ピグマ」は、顔料使用の水性マーカー。安心して使えますが、色数が限られているのと線幅が細いので出番があまりありません。

コミック・コーナーに置いてある「つけペン」は、最強の画材となりえます。インクだけではなく普通のアクリル絵具とも組み合わせて使えることを発見しましたので、ぐっと身近な存在となりました。それこそ「毛のない筆」ですよ。これについては別の機会に紹介します。