2016/09/21

使用感想:ゴールデン・オーブン・アクリリックス

Golden Open Acrylics
米国Golden社のアクリル絵具 Golden Open Acrylics とは、通常のアクリル絵具よりも乾燥時間を長くしたアクリル絵具。商品名にある「Open」は乾燥時間が長いという意味です。

アクリル絵具は極めて短時間に乾燥するのが大きな特長ですが、「乾くのがもっと遅ければなぁ」と思う事もあります。乾燥時間が長ければ、油彩絵具のように次のような事ができるのではと思って購入したのが7年前でした。
  • 画面の上で色を混ぜ合わせる
  • パレットの上にチューブから出した絵具を並べておく
  • 作った色を後から使う


結論から言いますと、上のような思惑はすべて外れてしまい、残った絵具を通常のように使っているというのが現状です (しかし、私の研究が足りなかったがための結果かもしれませんので、皆さんで適切に評価していただきたいと思います)。

どれぐらい乾燥が遅くなるのか

塗った絵具の厚さで大きく異なります。薄く塗った時で、普通のアクリル絵具が3分かかる場合だと、30分程度です。厚塗りすると、1時間とか、場合によっては、1晩たっても柔らかいままの事もあります。

乾燥の仕方に癖がある

30分で乾燥するという場合、塗った直後の状態が30分継続するという事ではありません。最初の5分間はビチャビチャ状態ですが(仮に「1期」と呼ぶことにします)、その後は「乾いてはいないけどかなり固まった状態になります(「2期」と呼ぶことにします)。

1期:普通のアクリル絵具を塗った直後と同じ状態。画面の上で他の色を混ぜ込んだりできます。

2期:指で触ると濡れている感じはするものの、筆などで操作することに困難を感じます。

「乾燥が遅い」といっても「2期が長い」にすぎず、その2期で思ったように絵具を操作できなければ、ただの「使いにくいアクリル絵具」 (個人的な見解です)。乾燥が遅いばかりに手を汚したり、重ね塗りをするために待ち時間が発生したり、⋯。(普通のアクリル絵具には2期がなくて、1期が終わると乾燥完了)

その他使用感など

乾燥を遅延させる成分のせいか、水飴でも混ぜてあるのかなと思うネタッとした手ごたえがあります。その分色が薄いかどうかは分かりません。

Golden社のどのアクリル絵具も優良だと思います。その昔、他社の製品が臭くてしかたない時から快適な無臭でした。品質も抜群。ただし、他社が追い付いたようで、昨今では差がないように感じます。

乾燥が遅い絵具の必要性を感じたら、油彩絵具とか、アクリル絵具と油彩絵具の混合技法を検討するのが良いと思います。

→ アクリルと油彩の混合技法はいいぞ


0 件のコメント:

コメントを投稿