2019/03/13

抽象画の技法ーレイヤリング

海外のお絵描き指南サイトではよく「レイヤリング技法」が、抽象画を描く重要な技法のひとつとして紹介されています。私が知らないだけかもしれませんが、日本ではあまり聞きません。

レイヤリング技法とは、「レイヤーを積み重ねるように描く」ということ。たとえば、空を背景にした樹木を描くとき、まず「空」のレイヤーを描いて、それから、その上に被さるように「樹木」のレイヤーを描きましょうということです。しかし、そんなの当たり前の描き方で、先に樹木を描いてしまったら空を塗る時大変な目にあいます。ということでは、誰でも無意識にレイヤリング技法を使っているといえるかもしれません。

抽象画では「意識してレイヤリング技法を使うと良いことがあるよ」というのがこの技法のココロになります。たとえば、ある程度描き進んだところで、「このレイヤーは完了。次のレイヤーに移ります」と自らに宣言。そして、それまでとは別のモノを上から描いちゃうのです。せっかく描いた前のレイヤーのが消えるのも厭わずにです。これで絵に奥行と複雑さが加わることになります。

インスタグラムで見つけた下の作品をご覧ください。ホワイトのPoscaで描かれた無数の丸や線が、最後のつまり最上位のレイヤーです。




次の動画ではもっと大胆にやっていますよ。方向性を変えるためらしいです。

ポイントは「ここからは新しいレイヤーで描くぞ」と気持ちをスイッチすることで、また別の新しい局面を絵の中に展開できることだと思います。行き詰ったとき、単に消すのではなく、レイヤリング技法として取り組めば「退却」転じて「攻め」に打って出られるというものです。

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