2019/03/15

お気に入り画家:長谷川潔

長谷川潔「アカリョムの前の草花」
バリに生きた銅版画家 長谷川潔展」(東京都・町田市立国際版画美術館)を観てきました。

版画の美術展といえばたいてい途中で飽きてしまうのですが、本展は最後まで気が緩むこともなく熱心に観ました。副題が「はるかなる精神の高みへ」の通り、絵のサイズとは真逆の物凄くドデカイ禅的ともいえる世界を内包している絵ばかりでした。

たいへん美しい絵なのですが、気が付くと「美しい」という感情すら忘れて絵に対面していました。絵の向こうにある瞑想世界に引き込まれていきます。

画家は完璧な美を創り出す卓越した力を持っているのですが、それでも、画家の「精進」こそが私たちを動かす源になっていると思いました。つまり、私たちも「全霊を打ち込んで描いたなら、それだけで観る人に感銘を与え得る」と教えられたよう。バランスやら配色やら何やらに現を抜かしているのではなく、描く行為に注力せなあかんのやなと自らを振り返りながら思ったのでした。

上の写真:作品の一部が「写真撮影可」となっていたので悦んで撮影したのはいいのですが、額装のガラスに自分の姿が写り込んでどれもセルフィーに。なお、会期は04/07まで。

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