「水」と「油」とを一緒に使って大丈夫?について書いてみます。結論から言えば、全然大丈夫です。
オイルパステル on アクリル絵具
アクリル絵具の上にオイルパステルを塗るのは、(絵具が乾いていれば)何の問題もありません。当然のことです。
オイルパステルの上にアクリル絵具を塗るのはどうでしょうか。心配とは裏腹にこれがまったく問題がありません。絵具に水をたっぷり加えていない限り、オイルパステルの上で弾かれることもなく普通に塗れてしまいます。べたべたに塗ったオイルパステルの上でも大丈夫。アクリル絵具に混ぜてある界面活性剤のお蔭でこういうことができるのでしょう。アクリル絵具 on オイルパステル
オイルパステル on オイルパステル
オイルパステルを塗った上から別の色のオイルパステルを塗ろうとすると、表面で滑ってなかなか色が乗らないで混ざり合うばかり。これもオイルパステルの味わいですが、ガッツリ別の色を塗りたい場合、良い手があります。アクリル絵具用の透明のジェル・メディウムやバーニッシュをオイルパステルの上に塗ればいいのです。そうすれば、その上にオイルパステルでグイグイと描き加えることが可能になります。これでオイルパステルを用いたレイヤリング技法も可能。ただし、アクリルのメデュームはある程度暑く塗りしっかり乾かすこと。そうしないと、メデュームの層がオイルパステルに負けて剥がれることがあります。
考察:耐久性
実際には、オイルパステルの上に厚塗りしたアクリル絵具の層は爪でつまんでペローンと剥がせてしまいます。永遠に乾くことがない油面の上にくっ付いているのだから無理はありません。反対に、そうでもしない限り絵具の層は剥落しないということ。ガラス入り額に入れるとかして、普通に画面を保護すれば問題ないように思います。長い年月の中ではどうなるかについては、10年間で変質や剥落などの異常がないことまで確認しました。それ以上100年、200年でどうなるかは分かりません。
いずれにしろ、画材メーカーが保証していない使い方であることを納得した上でやるべたるべきだと思います。
しかし、世界を見渡せば、アクリル絵具とオイルパステルのミクストメディアをやっている画家は結構います。100万円の値がついた作品にも。オイルパステル、みんなで使えば怖くない。
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