2020/01/17

アクリルガッシュは貧者のカドミウム・レッドたりえるか

適度な透明度があるアクリル絵具は、下の色を活かした塗りにも、下の色を覆い隠す塗りにも綺麗に対応してくれます。しかし、たとえば赤や黄など、下の色に影響されやすい色を塗る時には注意が必要です。私は次のような対応策を使っています: 
  • 塗っては乾かすを塗膜が厚くなるまで繰り返す(ドライヤー使用) 
  • 一旦ホワイトを塗る。 
  • 高価で有害なカドミウム・レッド(カドミウム・イエローも同様)を使う。 
カドミウム・レッドを使うのが一番スマートですが、できれば避けたいところ。そこで、「隠蔽力が強い」と宣伝しているアクリルガッシュの赤(黄も同様)を買ってきました。結果は、確かに濃い。カドミウム・レッドのように下の色に打ち勝って発色してくれます。

しかし、アクリルガッシュは乾くとマットになり、アクリル絵具で塗った他の部分と異質に見えるという問題があります。でもね、アクリルガッシュのさらに上にアクリル絵具を塗り重ねたりするし、しかも、絵が完成したら全体にグロス・バーニッシュを塗ってしまうのだから大丈夫。 

アクリルガッシュを補助的に使うのは、世間でもアリのようです。しかし、両者を混ぜ合わせて使うのはバツのようです(理由は分かりません)。なお、アクリルガッシュの隠蔽力は強いと書きましたが、それはアクリル絵具と比べてのことで、普通に下の色は透けます。過度の期待はなさらないように。 

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