2018/07/15

お気に入り画家:イワン・ラブジン

イワン・ラブジン
先月のこと、クロアチアの首都ザグレブでクロアチア国立ナイーブアート美術館を訪れました。ここでは、同国出身画家を中心にナイーブアートが所蔵・展示されています。建物は小さくて展示数が少ないので、ちょっと物足りない感もありましたが。

日本人観光客の訪問が多いのか、昨今には珍しく日本語パンフレットがありました。原田泰司の作品展示も。

目玉はなんといっても、イワン・ラブジンでしょう。一時は多数の版画や複製画が売られていたものでした。私も絵ハガキをトイレに飾っていましたっけ。

本物を見るのは初めて。サイズはどれもおおよそ1mぐらい。意外と大きいです。油彩またはアクリルで平板に塗られています。まるでトール・ペインティングみたい。それもそのはず、画家になる前は家具職人だったのですから。

イワン・ラブジン(部分)
どの絵も、ご存知、空と平原と山と花の単純な構成。しかし、近寄って見ると、木の一本一本、葉の一枚一枚が丁寧に淡々と描いてあります。空のグラデーションと見えるのは、細かい点描の効果であると分かりました。全体的には単純な構成と、反復される細密なオブジェクトが共存することで独特な世界観を作っているようです。これは、画集の小さい写真からは分からないことでした。

じっと見ていると静かな世界の中に引きこまれるようです。絵の前は居心地が良いです。

特記したいのは色。画面全体からふわーとした柔らかい光が出てくるよう。同館で販売しているポスターや絵ハガキでさえこの色を再現していません。忠実に再現していたらうすらボケた感じになるからコントラストを強めてあるのでしょう。印刷物としては仕方ありません。本物を拝めたというのは実に幸せなことでした。

追記 クロアチアの街、ワールド・カップで盛り上がっていました。対フランス 決勝戦、もうすぐ始まりますね。

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