2016/07/11

「上手い絵」と「良い絵」 なんだそれは

P234 by Ai Yusuke
P234 by Ai Yusuke
高校の美術の時間でした。教壇に立った教師が生徒の作品を「これは上手い絵」「これは良い絵」と評価したのです。私のは「上手い絵」。級友は「良かったね」と喜んでくれたのですが、「ウワベだけ良い絵と見せかけた魂が入っていない絵」と理解した私は酷く傷つきまして、その後何十年間もその時の出来事を引きずってきました。専門の美術教育を受けていない私には、それが最後の「師」からの評価でしたし。

実際、級友が慣れぬ油彩絵具で四苦八苦している中、余裕で校庭の木々を描いたのです。教室にドヨメキが起こるほど確かに上手い(高校生にしては)。その匠さを教師は鼻持ちならぬと感じたのでしょう。自信があるからこそ泰然とした心持で絵を描いていたのですが、そういった心境までは絵に織り込めなかった。そういうこと。

だいたい「上手い絵」「良い絵」の意味を説明もせず、いきなり評価を投げつけるというのも乱暴な話。「良い絵とは何なんだ」と悩み続ける事になった教師を恨みました。でも、「良い絵」の定義を知ったところで何にもならない。今はそう思います。

  • 絵を描く人というのは、「自分にとって良い絵」を作り出すべくただただ描き続けるしかないのでないか。
  • 「良い絵」とか「良くない絵」とかは、絵を見る人が好きに決めてちょうだい。
添付の絵は最近の作品。本文とは関係がありません。

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