2019/04/23

子供の絵から学ぶ:「意味」がないと「ただのひねくりまわし」☆

小3 Ai Yusuke
パウル・クレーは、ときおり自分が子供のときに描いた絵を取り出してきては眺めていたそうです。学べることがあったのでしょうね。

私は自分が子供のときの描きっぷりが気になってしかたありません。とにかく描くのが速かったとの記憶があります。「ここに〇〇を描こ」と思うが早いか、躊躇うことなく手が動いている。それを繰り返すうちに、絵が完成。今の私から見ると羨ましい限りです。どうしてそんなことができていたのか分析してみました。「あわよくばそのテクニックを盗んで…」との思いからです。分析結果は次のとおり。

自信に溢れている
:「何でも描けるぞ」という感じ。そうなったのは先生や級友からの高評価やお世辞のお陰。
テーマを最初に決める:「雪国の生活を描こ」などと決めてから描き始めていました(上の写真)。みんなそうしていたし、そうしなければどうしようもなかったでしょう。しかし、今の私にそんな手順はありません。
意味のないものは描かない:一点一画のすべてに意味がありました。人の頭、目、口、手、などなど。装飾的な筆もなし。凄いことかもしれません。 
描きたいと思ったら即描く:描きたいと思ったら犬でも猫でも躊躇わずに描きます。「下手でもいい」と達観していたのではなく、実物や上手な人の作品などと比べたりしないから出来栄えは気になりません。自分が犬と見えたらそれでOK。つまり、失敗などない世界の住人は怖いもの知らず。
バランスや配色を調整するべきだと知らない:無視していたのではなく、単に知らない。今見ると彼の絵が下手くそに見える理由ではあります。面倒なものに縛られないのだから好きなものを好きなように描けます。 
やはり「子供の絵」は無敵。勝ち目はないです。

このスタディーから得た今に活かせるヒントは「意味」。カンディンスキーが「意味のないものは描くな」と言いましたが、まさにそれ。描き手は描くものを理解している必要があるということ。

私の体験でも、たとえば「ここには山(のようなもの)を描こう」などと心の中で決めてからやると、足が地に着いたような感じで進み始めることがあります。な~んにも思わないでただ漫然と絵具を塗るだけでは進みが酷く悪いものです。

ただし、意味は鑑賞者に伝わらなくてもよいし、鑑賞者はそれを読み解く必要もないと思います。

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