2016/12/13

アクリルガッシュも良いもんだ

アクリルガッシュ
アクリルガッシュは、水溶性でありながら乾くと不溶性になる点でアクリル絵具と同じ仲間の絵具。異なるのは、乾くと表面が艶消し(マット)になる事。

不透明度が高いため下の色を隠す力が強く、さらに、艶消しなるがゆえ筆跡が目立ちにくいので色面が均一に見えます。

という事では、グラフィック・デザイン専用とか、抽象画に使うとしてもモンドリアン様式くらいとかと思ってしまうのですが、結構「普通の」絵も描けます。

2016/11/26

ニトリの角皿はパレットにぴったり

パレットとして使おうと、ニトリで26cm角皿(571円)を買ってきました。今日使ってみたら、バッチリ。最高の使い勝手です。

  • 四角形→スペースが有効に使える
  • 真っ白→絵具の色が見やすい
  • 陶器→固まった絵具が簡単に落ちる

店には一回り小さいのもありましたが、一番大きいこれにしたのが正解。ちょっと重いですが。

2016/10/08

アクリラガッシュのコバルト・ブルーはフタロ・ブルーだ


ホルベイン社アクリラガッシュのカタログ
日本における最大手 画材メーカー ホルベイン社が販売するアクリラガッシュの「コバルト・ブルー」のチューブの中身は「フタロ・ブルー」であることを発見!

カタログでも、チューブのラベルでも 仕様顔料はPB15と表示されていますが、PB15は同じ青でも「フタロ・ブルー」。実際にチューブの中身はフタロ・ブルーと見えます。

普通、使用顔料と色名の関係はこうでしょう:
PB15 フタロ・ブルー
PB28 コバルト・ブルー

2016/09/21

使用感想:ゴールデン・オーブン・アクリリックス

Golden Open Acrylics
米国Golden社のアクリル絵具 Golden Open Acrylics とは、通常のアクリル絵具よりも乾燥時間を長くしたアクリル絵具。商品名にある「Open」は乾燥時間が長いという意味です。

アクリル絵具は極めて短時間に乾燥するのが大きな特長ですが、「乾くのがもっと遅ければなぁ」と思う事もあります。乾燥時間が長ければ、油彩絵具のように次のような事ができるのではと思って購入したのが7年前でした。
  • 画面の上で色を混ぜ合わせる
  • パレットの上にチューブから出した絵具を並べておく
  • 作った色を後から使う


2016/09/16

臭いのを我慢しないで油彩画を楽しむには

油彩画を描きたいけど「臭いから嫌」という方もいらっしゃいます。確かに頭が痛くなるほど臭い。でも、臭いのを我慢しないで楽しむ方法はあります。

あの強烈な匂は、絵具を薄めるための溶き油に含まれる成分のせいです。チューブから出した絵具自体は、鼻を近づければほのかに香る程度。しかも、嫌な臭いではありません。つまり、臭い油さえ使わなければいいのです。使わずとも油彩画は描けます。

2016/09/11

iPad 2でProcreateを使うとはこんな感じ

絵の下絵作りにiPadを活用している事をお話ししました。


私のは5年まえに発売されたiPad 2ですから、何を動かすにも「どっこいしょ」とばかりに一呼吸あってから画面が変わります。そんな古いマシンでProcreateを走らせるとどうなるか、興味がある方への情報です。

2016/09/09

私のアトリエ

お絵描きにはダイニング・テーブルを使っています。ですから、食事のたびにすべての道具を片づけなくてはなりません。邪魔臭いですが、仕方ないですね。

道具をしまうのは、壊れた冷蔵庫の中。冷蔵庫は物を収納するのにたいへん具合が良いですよ。扉の開閉がすこぶる良いし、たくさん棚があるし。

2016/09/07

アクリル絵具と油彩絵具を混ぜ合わせる実験

紙に塗った結果
水と油ですから、絶対に混ぜ合わせようとは思わないアクリル絵具油彩絵具を混ぜ合わせてみました。なお、普通の油彩絵具は持っていないので、水溶性油彩絵具(ホルベインDUO)での実験になります。

2016/09/06

お絵描き入門:オイルパステルの秘技


オイルパステル抽象画。面白いですよ。

オイルパステルを紙に塗った後そのままに筆致を残すのもいいですが、指でオイルパステルの上を擦って周辺の他の色と混ぜ合わせると得も言われぬトーンが生まれます。ソフトパステルの技と同じですね。油彩画ばりの力強い色面が美しいです。

ここで、さらにオイルパステルの魅力を増す私が見つけた秘技を紹介します。
オイルパステルを塗った後、ドライヤーの熱風を当ててオイルに含まれている油分を飛ばしてしまう。
こうすると、表面のべたつきがなくなって少々物に触れても汚れる事がなくなります。さらに、オイルパステルの表面が絵具をはじかなくなるから、なんと、アクリル絵具を上から塗る事ができるように。アクリル絵具とのミックス・メディアが自由自在!

油彩絵具も併用可能ですが、絵具に含まれる油がオイルパステルを溶かすので、これが災いとなるか福となるかですね。

2016/09/04

iPadでのお絵描きはProcreateで決まり

私が下絵作成に使っているiPadアプリProcreate。タブレットで動くお絵描きソフトとしては最強ではないかと思います。

最強といっても、多数の機能がメニューに羅列されているパソコンのお絵描きソフトのようなシステム然とした物とは違って、しっくり手になじむ道具といった佇まいです。

筆やスプレーで描く機能に特化していて、まさに、絵を描く道具。反面、イメージを処理する機能は手薄で、時にファイルをパソコンに送ってそちらで処理したり⋯。

2016/09/03

iPadはもはやなくてはならぬ画材

タブレットやパソコンを使って絵を描く方はたくさんいらっしゃるようですね。

私は、アクリル絵具や油彩絵具で描く絵の下絵作りにiPadを活用しています。ほとんど完成品と同じレベルの形や色をともなった下絵を作ってから、本番に取り掛かります。

絵筆を持ったままの長考が著しいタチで、ああでもないこうでもないと絵具を塗り直し始めたら時間のかかる事、手間のかかる事。楽しいはずのお絵描きが苦行に⋯。

これではいかんと、下絵をiPadで作るようにしたら大正解。iPadであればトコトン練り上げた色付きの完璧な下絵が作れます。この下絵を見ながら絵具で描く作業は、行きつ戻りが少なくなったので、ルンルンです。お絵描きがさらに楽しくなりました。

2016/08/28

アクリルと油彩の併用技法はいいぞ

最近、アクリル絵具油彩絵具の両方を使って描くようになりました。アクリル絵具で一通り描いた後、油彩絵具で色を整えたり形を編集したりするのです。

アクリル絵具と油彩絵具はよく似ているから、どちらか一方だけでも同じ絵が描けるはずです。ですが、両方の良い所を使えば理想の最善。良い所というのは⋯
  • アクリル絵具:すぐに乾く → 速く描ける
  • 油彩絵具:すぐに乾かない → ボカシやグラデーションが自在
以前から、「自分はアクリル絵具と油彩絵具のどちらを使うべきか」などと迷ったりして、いろいろやってはいました。しかし、両方を使えばいいなんて考えなかったですね。

2016/07/18

サムネールが怖い

指の先ほどの大きさに縮小した「サムネール」と呼ばれる小さなイメージ、作品を一覧する画面によくありますよね。これが曲者なのです。

「うまいこと描けたな」と悦び勇んでブログに張り付けようと写真を縮小すると、あら惨め。つまらな~い絵に見えたりするのです。名画だといくら縮小しても魅力が失せないから、縮小に耐えられないのは駄作である事の証拠。
真に美しい物は、全体も部分も、また、拡大しても縮小しても、美しい。
ならばという事で、筆を置く前には必ず縮小した画像もチェックするようにしています。

2016/07/16

お絵描き入門:水溶性油彩絵具も捨てがたい

先に油彩絵具がお薦めですと書きました。
お絵描き入門:油彩絵具が一番
水でも油でもどちらでも溶ける水溶性油彩絵具も検討されてはどうでしょうか。
ホルベイン アクアオイルカラーデュオ(DUO)
一般の油彩用の溶き油も使えるのですが、水だけで溶いて使うと、まるで「乾燥時間が長いアクリル絵具」みたいな感覚で絵が描けます。

界面活性剤が添加してあるから水に溶けるのですが、その量がわずかなため水に溶ける事以外普通の油彩絵具とまったく同じです。ただし、混ぜた水が多いと乾いたときに表面が艶消し状態になって油彩絵具独特の輝きが出ません。しかし、仕上げにバーニッシュを塗る事で艶有りにできるので、これは大きな問題ではないかもしれません。

なお、アクリル絵具などと混ぜることはできませんが、乾燥したアクリル絵具の上に塗る事は問題ありません。

(臭い)溶き油を使わずに油彩画を楽しむひとつの方法として紹介しました。

2016/07/12

お気に入り画家:パウル・クレー (続)

パウル・クレー
先月、パリ ポンピドーセンターでパウル・クレーの企画展を鑑賞する幸運に恵まれました。見覚えのある著名な作品が会場のそこここにさりげなく並べられているという実に見応えのあるものでした。

偉大な作品に魅了されたのは当然ですが、今回は、どの作品も綿密にテクスチャが施されている事に関心を奪われました。筆の勢いが余って塗りムラになったとか、そんな偶然任せではなくて、画家のコントロールの下、ムラムラやザラザラなどが描きこまれていると見ました(個人の見解です)。


接写
オブジェクトの境界なんかも、はみださないように気を付けながらムラムラが塗り分けられています。結構手間がかかったろうと思います。それでいて泰然としている。意志の強さを感じました。

同じような興味を持つ人はいるようで、作品に大接近してスマホで画面を接写しているのをみかけました(写真撮影OK)。今も多数の画家に影響を与えているのですね。

お気に入り画家:パウル・クレー



2016/07/11

「上手い絵」と「良い絵」 なんだそれは

P234 by Ai Yusuke
P234 by Ai Yusuke
高校の美術の時間でした。教壇に立った教師が生徒の作品を「これは上手い絵」「これは良い絵」と評価したのです。私のは「上手い絵」。級友は「良かったね」と喜んでくれたのですが、「ウワベだけ良い絵と見せかけた魂が入っていない絵」と理解した私は酷く傷つきまして、その後何十年間もその時の出来事を引きずってきました。専門の美術教育を受けていない私には、それが最後の「師」からの評価でしたし。

実際、級友が慣れぬ油彩絵具で四苦八苦している中、余裕で校庭の木々を描いたのです。教室にドヨメキが起こるほど確かに上手い(高校生にしては)。その匠さを教師は鼻持ちならぬと感じたのでしょう。自信があるからこそ泰然とした心持で絵を描いていたのですが、そういった心境までは絵に織り込めなかった。そういうこと。

だいたい「上手い絵」「良い絵」の意味を説明もせず、いきなり評価を投げつけるというのも乱暴な話。「良い絵とは何なんだ」と悩み続ける事になった教師を恨みました。でも、「良い絵」の定義を知ったところで何にもならない。今はそう思います。

  • 絵を描く人というのは、「自分にとって良い絵」を作り出すべくただただ描き続けるしかないのでないか。
  • 「良い絵」とか「良くない絵」とかは、絵を見る人が好きに決めてちょうだい。
添付の絵は最近の作品。本文とは関係がありません。

2016/05/21

お絵描き入門:アクリル絵具も一番(続き)

油彩絵具もいいけど、アクリル絵具もいいですよと書きました。
お絵描き入門:アクリル絵具も一番
もう少し、アクリル絵具を掘り下げてみます。

油彩絵具の方が「使い方がオーソドックス」、アクリル絵具は「ちょっと慣れが必要かな」というのが私の感想です。ただし、「強いて違いを探せば」ということで、「だからどうした」というものではありません。乾燥時間に差があることに着目して使い分けるのが良いと思います。

アクリル絵具の特徴を書きますと⋯

2016/05/18

お絵描き入門:アクリル絵具も一番

これから絵を描き始めようと考えている方には、油彩絵具をお薦めしますと描きました。
お絵描き入門:油彩絵具が一番
ですが、現在私が専ら使っているアクリル絵具も宣伝しておかなくてはならないと思いましたので⋯。

アクリル絵具は、発色や絵肌が油彩絵具と見分けがつかないほど似ているし、基本的な描き方もそっくり。どちらで描いても、同じ絵ができてしまうとは過言ではありません。

2016/05/16

お絵描きノート:線は怖い

なんちゃって円相図 Ai Yusuke
簡単ではないですが、は時間をかけて考え貫く事を厭わなければなんとかなりそうです。

しかし、はいけません。どうあがこうが、自分の力量とか心模様とかがあからさまに出てしまいます。美しい線を描くには筋肉と運動神経を訓練する必要はあるのでしょうが、それだけではダメかも。

とはいえ、美しい線を描く努力はした上で、美しくなくとも自分らしい線を胸を張って描くというのが良いようにも思います。

2016/05/15

お絵描き入門:油彩絵具が一番

仮に、これから絵を描くことを始めたいという方がいて、「どんな画材がいいでしょうか」と相談を受けたとしたら、「油彩絵具が一番いいですよ」と答えると思います。

お薦めする理由

油彩絵具は「編集力」に長けているから、最も素直な描き方が可能です。

下の色を隠す力が大きいし、いくらでも上へ上へと塗り重ねていけるから、描いたり消したりが自由自在。これはとても重要です。普通、絵は、始めは大まかに、そして、次第に詳細に描くでしょうし、色なんかも取りあえずで塗っておいて、進行に合わせて調整。あるいは、一旦描いたものを消し去ったり。こういった「切った貼った」が容易だからこそ、油彩絵具は使い易いです。

2016/05/09

趣味で絵を描く人は減っているのかなぁ

数年前から画材店が少なくなりました。みなさんの街ではどうでしょうか。地元の小さい店に限らず、大手の店も例外ではありません。趣味で絵を描く人が減っているからなのでしょうか。

もともと絵が趣味の人は少数派でしょうが、それでも昔は必ずの様に街ごとに画材店がありました。衣料や食品を扱う商店は大規模商業施設にやられてしまいましたが、ショッピング・センターで画材は扱っていないし⋯。大手画材店の通信販売にやられたという意見もありますが、どうでしょうか。

2016/05/01

作品番号に隠された真実

A241 | Ai Yusuke | 15cmX15cm | Acrylic | 2015-03
作品番号は、2011年A001からを付け始めました。最新作がA299ですから、5年間でそれだけの枚数を描いたというわけです。

当時は「売れるぐらいの絵が描けるようになりたい」と思っていて、「100枚描けば何かわかるだろう」と考えたのが作品番号をきっちり付けるようになった動機です。しかし、A100が完成しても「何だかな~」。仕方なく「も一丁」と100枚上積み。そしてA200に差し掛かった頃、「何とかなるかなぁ」と思えるようになりました。

2016/04/21

お気に入り画家:落田洋子

落田洋子
人物や静物、風景が実に細密に、しかし、自由にノビノビと描かれています。「何でも好きなものを好きなように描いたらいいんだ」という事をこの画家から学んだように思います。

絵の中には、静逸でなぜか懐かしい世界が広がっています。見ていて飽きません。最近では村上春樹さんの著作の表紙にも使われています。

私が一番影響を受けた画家のひとりではあるのですが、こんな思い出も⋯

2016/04/16

The Beatles - A Hard Days Night


先日、1964年制作の映画 「A Hard Day's Night」 (旧邦題「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」) をTSUTAYAの宅配レンタルで観ました。懐かしいというより、輝いている若さが眩しくて、涙なしには観れなかったです。

ビートルズの人気は凄かったですね。当時私は中学生。女子と上の世代がキャーキャーやっているのを、ちょっと醒めた目で見ていました。今思えば一緒に熱くなっていればよかったと思います。

1962年 「Love Me Do」で英国デビュー
1966年 日本来日
1980年 ジョン・レノン死亡
2001年 ジョージ・ハリスン死亡

予告編 (1:39)


2016/04/14

お気に入り画家:ヘンリー・ダーガー

ヘンリー・ダーガー
ヘンリー・ダーガー(1892~1973)は、米国の「アウトサイダー・アート」を代表するひとり。81歳でなくなる死の直前まで、誰も知られずに作品を描いていたことが、残された荷物を整理した大家さんによって発見されました。

まったく人付き合いすることがなくなかった彼は、ひとり自室で、少女を主人公にした夥しい数の絵を描いていたのです。世界最長と言われる自筆の長編小説の挿絵として描いていたと言われています。

発表する気などなくて、ただただ自分の物語の中に遊ぶのを楽しむためだけに描いていたのだと思います。誰にもでもあった子供時代の遊び方をそのまま半世紀以上も続けていたのでしょうか。

どの絵も、可愛くて美しいですが、彼の人生と重ね合わせて考えると、ちょっと怖いかも。私は「人間の存在理由」を問いかけられているようにも感じます。
→ Wikipedia ヘンリー・ダーガー


2016/04/08

お気に入り画家:パウル・クレー

パウル・クレー「ニーセン山」
パウル・クレーの絵は綺麗な色で幻想的に、ときに可愛らしく、ユーモラスに、軽やかな印象。

そういう表面的な印象から、「これぐらい自分だって描けるだろう」と思っていました。小中学生が使うのと同じ水彩絵具だし。

それがとんでもない身の程知らずだと分かるようになりました。私も成長したかしら。


2016/03/20

道楽に〈抽象画家〉はいかが?

道楽で描く絵としては、風景画、静物画、人物画、などなど「具象画」も良いですが、「抽象画」(私的にはイコール非具象画)はいかがでしょうか。

抽象画家を名乗れば、モデルから「美人に描けてない」と苦情を言われることもない。写生に出かける必要もない。「赤色が好きなのにそうそうリンゴばかり描いていられない」とこぼすこともない。

好きな色を好きなだけ好きなように。自由奔放。それができれば最高ですよね。

実際のところは、「抽象画だけが自由」という事はなくて、具象画でも自由になれるし、反対に、抽象画であるながら不自由という事もあるでしょう。

でも、「抽象画を描くぞ」と自ら(と周り)に宣言した途端、解放される部分は大きいです。この手を使わないのは勿体ない。抽象画である事を「大義名分」にして、自由奔放に楽しめみませんか。